小児・夜尿症・女性泌尿器科 小児泌尿器科 当院では夜尿症(おねしょ)や包茎の治療など小児泌尿器科も行っています。小学校にあがってもおねしょが続くお子様や包茎などの相談もお気軽にお申し付けください。痛い検査などは一切いたしませんのでご安心ください。 夜尿症(おねしょ)について 夜尿症は「5歳を過ぎて週に2回以上の頻度で、少なくとも3カ月以上連続して夜間睡眠中の尿失禁を認めるもの」と定義されています(米国精神医学会DSM-Ⅳ)。7歳児の夜尿症の有病率は10%程度で、その後年間15%ずつ自然治癒していき、成人に至るまでにほぼ全例が治癒するといわれています。また2:1で男児に多いとされ、遺伝性も指摘されています。片親に夜尿症の既往がある場合は40%に、両親ともに夜尿症の既往がある場合は70%の子供に夜尿症が出現するといわれています。 (1)治療を始める時期 夜尿症に対する積極的な治療開始時期は世界的には8歳からというのが目安になっています。生まれ月による差や宿泊行事などを考慮し当院では小学校3年生(または4年生)からをひとつの基準としています。 (2)治療の原則 1.寝る前の水分制限~どのような治療を行うにしても、寝る前2時間(できれば3時間)の水分制限が大原則となります。これが守れないとどんな治療を行っても効果がでません。夕食時に味の濃いものを摂ると喉が渇きますから注意しましょう。また冬場はお部屋の乾燥にも気をつけてください。2.怒らない~「おねしょ」をしたことを叱っても問題は解決しません。これはいびきをかく人に「いびきをかくな」と言っているようなものです。ただし寝る前の水分制限を守れなかったときは生活指導の一貫として言い聞かせましょう。3.焦らない~夜尿症は先天的な尿路異常などがある場合を除いて成人までに必ず治ります。焦らず子供の成長を見守りましょう。4.オムツは原則しない~「おねしょ」をしたことに気がつかず寝ていることは夜尿症治療の妨げになります。原則、オムツは使わず、シーツの下に防水シートをひくなどの工夫をしましょう。 (3)治療の方法 <日中の症状を伴う場合>昼間のお漏らしや極端な頻尿(学校生活などに支障をきたすような)を伴う場合は、膀胱容量が少ないことが原因(膀胱型)のため、抗コリン薬という膀胱の緊張を和らげるお薬を使用したり、膀胱訓練(1日1回、尿を我慢する練習をする)を行ったりします。ただし抗コリン薬は口渇(喉の渇き)や便秘の副作用がでる可能性があり、また小児に対する安全性が確立されていないため使用には注意を要します。また以前は膀胱型の夜尿症治療に三環系抗うつ薬(トフラニールなど)がよく使用されていましたが、重篤な副作用報告があり、安易に投与すべきではないとされています(2004年国際尿禁制学会)。 <夜尿症のみの場合(ほとんどの子供がこのパターンです)>1.抗利尿ホルモン剤(デスモプレシン)本来、睡眠中は脳下垂体後葉より抗利尿ホルモン(腎臓に作用して尿量を減少させるホルモン)が分泌され、夜間尿量を少なくしていますが、夜尿症の子供の約1/3は、その分泌が低下していると言われています。これを補う目的でデスモプレシンスプレーという点鼻薬を使用します。通常寝る前に1~2噴霧(10~20μg)使用します。手軽に始められ速効性もありますが、中止すると再発することが多いのが欠点です。もともと脳から分泌されている物質なので副作用は少なく安全性は高いのですが、水分制限を守らずに使用すると水中毒(むくみ・嘔吐・けいれんなど)を起こすことがあります。当院では抗利尿ホルモン剤は宿泊行事などのイベント時での使用をお勧めしています。 2.アラーム療法専用のセンサーを下着に装着して寝ていただき、睡眠中に排尿が起こるとアラームが鳴って覚醒させるもので、欧米諸国では夜尿症治療の第一選択となっています。この方法は夜中に自分でトイレに起きるように促すのではなく、膀胱が充満した時に覚醒させることによって夜間膀胱容量を増加させ、朝まで持ちこたえるようにさせると言われています。薬を使用しないため副作用がなく安全な方法で有効率は70%程度とされています。夜起こすと成長ホルモンの分泌が妨げられるという記述もありますが科学的根拠はありません。この方法の欠点はアラームが鳴ってもほとんどの子供は自分で起きられないため第三者が起こさなくてはならないことです。従って親子で治療に取り組まないと困難となります。当院では「ちっちコール」という治療機器を8500円(自費)で購入して頂いております。 (4)その他 夜尿症の原因は親のしつけや精神的ストレスが原因では?と思われる方もいますが、これも科学的根拠がなく否定されています。ただし夜尿症に関して親から叱られると子供は精神的ストレスを受けることがありますので留意してください。 またアデノイドなどが原因で夜間にいびきをかいたりしている場合は睡眠リズムの障害が発生し、夜尿症の原因となることもあります。その場合は耳鼻咽喉科の受診をお勧めいたします。 女性泌尿器科 泌尿器科の病気は男性特有の病気ばかりと思われていませんか?確かに前立腺は男性にしかない臓器ですが、尿を作っている腎臓も尿をためておく膀胱も当然女性にもあります。膀胱炎などの尿路感染は女性の方が圧倒的になりやすいのです。「尿が近い」「尿の我慢が難しい」「尿が漏れる」など排尿に関するお悩みをお持ちの女性も多いのではないでしょうか?当院では女性の羞恥心に配慮した診察を心がけております。女性の診察には必ず女性スタッフを介助につけ、できる限り、尿検査や超音波検査など恥ずかしくない検査で診断をつけるように致しております。女性の方もご遠慮なく当院をご利用頂ければ幸いです。