泌尿器がん治療

前立腺癌

前立腺癌はアメリカでは男性の癌の中で最も頻度が高く、死亡率でも2番目に多い癌です。日本でも近年、食生活の欧米化や高齢化などによって急激に増加しています。前立腺癌は初期の段階では症状がなく、前立腺の血液検査(PSA:前立腺特異抗原:正常0-4)の異常によってのみ発見されることがほとんどです。進行すると排尿障害(尿が出にくい、尿が近い、尿に血が混じるなど)や転移部位の症状(腰の痛みなど)が出てきます。進行した状態で見つかった場合は完全に治すことは難しく、できる限り早期に発見することが重要です。そのためには、50歳を過ぎたら毎年、前立腺がん検診を受けることをお勧めいたします。前立腺がん検診は血液検査のみで簡単にすみ、PSAが0~4の間にあれば、ひとまず安心です。PSAが4を超えた場合は、泌尿器科専門医を受診していただき、超音波検査、触診などで総合判断し、前立腺癌の疑いが否定できない場合は、前立腺の組織検査(前立腺生検)が必要になります。当院では日帰りで全く痛みのない方法で前立腺生検を行っています。前立腺癌と診断された場合は、進行状況を画像診断などで行ったうえで、患者さまの病状・年齢・ライフスタイルにあった治療(手術・放射線治療・ホルモン療法・化学療法など)を一緒に考えていきます。

膀胱癌

膀胱癌は泌尿器癌の中でも頻度の高い癌の一つで、ほとんどの場合、「尿に血が混じる」ことで発見されます。タバコを吸う方は吸わない人の2~4倍、膀胱癌になりやすく、比較的男性に多い病気です。膀胱癌の診断には膀胱鏡(膀胱の内視鏡検査)が必須ですが、当院では痛みの少ない軟らかく細い内視鏡で観察します(2-3分で終わります)のでご安心ください。膀胱癌と診断されても70-80%は表在性という内視鏡手術で治るタイプで、当院では日帰りで手術を行っています。膀胱癌による「血尿」は排尿時の痛みのないことがほとんどで(無症候性)、多くの場合、一度尿に血がまじっても自然に止まってしまいます(間欠的血尿)。一度でも尿に血が混じることを自覚された場合は早めに受診されることをお勧めいたします。

腎癌

腎臓は背中の左右に存在する、そらまめに似た形をした長径10cm程度の臓器で、血液をろ過して尿を作っています。その腎臓に発生する腫瘍のうち最も多いのが腎癌(腎細胞癌)です。進行すると血尿や側腹部痛を自覚することもありますが、ほとんどの場合、検診や人間ドックの超音波検査で腎臓に腫瘤を指摘されて見つかります。正確な診断にはCT検査が有効です。当院では最新のマルチスライス16列CTを用いて数分で検査が終了します。腎癌と診断された場合は腫瘍の大きさ・部位・進行の状況などによって、患者さまに適した最も適した治療をご提案いたします。

精巣腫瘍 

精巣(こうがん)にできる腫瘍で15~35歳くらいの若い男性に多く、この年代の男性に発生する悪性腫瘍の中で最も多いと言われています。進行が早く、肺などの臓器に転移しやすい病気ですが、現代では治療の進歩により90%以上の人が完治できます。多くは、「痛みのない精巣の腫れ」によって見つかります。「精巣の左右の大きさが違う」「最近、精巣が大きくなった」「精巣にしこりがある」と自覚された場合は痛みがなくても早めに当院を受診してください。触診・超音波検査・血液検査などで簡単に診断可能です。