PSA PSA(前立腺特異抗原=Prostate-Specific Antigenの頭文字)は前立腺細胞だけから分泌されるたんぱく質です。前立腺癌の患者さんでは血液中のPSA値が高くなることが知られているので、前立腺癌の検診に用いられています。 検診のPSAの結果を評価する上で注意したいのは、 ①PSAは前立腺癌だけでなく、前立腺が大きい場合や炎症でも高くなる ②PSAが4.0 ng/mL以下でも癌の可能性がある という点です。 ①について。 PSAは前立腺炎や前立腺肥大症でも上昇することが知られていますので、これらを正確に見分けるためにMRIや前立腺生検での確認をしなければなりません。 ②について。 日本泌尿器科学会のガイドラインでは、50〜64歳では3.0、65〜69歳では3.5、70歳以上では4.0と、PSAの正常値を定めています。年齢によってPSAの正常値が異なる点に注意しましょう。 また、過去のご自分のPSA値と比較することも重要です。PSAが正常値以下であっても、昔よりも上昇傾向にある場合は前立腺癌の可能性があるかもしれません。 例えばPSA2.5の場合。検診の結果説明では「PSAは正常」と判断されるでしょう。ところが、一昨年のPSAが1.1、昨年は1.4であったとすると、いずれも「正常」ですが、PSAは2年間で倍増していることになり、癌の可能性が十分に考えられることになります。 検診で「PSAは正常」と言われた場合でも、鵜呑みにしないで、ちょっとでも疑問に思ったり、気になる時は、当院へご相談ください。 院長 藤田喜一郎