2024.1.02の航空機事故から学ぶこと 事故の概要:2024.01.02 午後5時50分頃 新千歳発―羽田行き JAL516便(以下A機)が羽田空港C滑走路に着陸した直後に、海上保安庁の輸送機(以下B機)と衝突し、両機とも炎上。B機の乗員5名死亡、A機の乗員・乗客379名は奇跡的に脱出(15分後には機体炎上)した。 A・B機長の証言:A機は管制塔から着陸の許可をもらい通常の着陸操作を行ったところ、C滑走路にいたB機と衝突した。B機は離陸の許可をもらったため、C滑走路に進入したところ、着陸してきたA機と衝突した フライトレコーダー・ボイスレコーダーの検証結果:管制塔はB機にC滑走路手前の停止線まで進むように指示したが、離陸の許可は出していない。B機はC滑走路手前の停止線までの進入許可を離陸許可と勘違いした模様。 問題点 ① そもそも1つの滑走路を離陸にも着陸にも使用していることが危険(羽田空港の狭さと便数の多さゆえに、仕方のない使用方法なのか) ② B機が指示を勘違いしたことが最大の原因だが、指示と異なる行動をとったB機の動きを管制塔が見逃していた ③ 着陸の許可を得たA機も目視などでC滑走路に別の機体がないかの確認ができていなかったのか(日没後であり目視は困難であったかもしれないが、暗視カメラなどの確認方法ができなかったのか) われわれ医療従事者に活かせること ① 指示の内容が相手に正確に伝わらなかったり、相手が勘違いしたりすることは十分にありうるエラーである(管制塔とB機) ② 指示をだした側(管制塔)は相手(B機)が指示通り動いているか確認すべき ③ 指示をだされた側(A機)は、その指示が本当に適正な指示であるか検証すべき ④ 万一のことを想定し、本来は離陸と着陸で使用する滑走路は別にすべき(病院でいえば手術室や検査室を別にすべき)だが、実際は限られたスペースで業務を行わざるを得ないことも多く、繰り返し確認作業を行っていくしかない 理事長 加藤裕二