夜中のおしっこの回数が増える(夜間頻尿)の原因について~その③ 夜中に、おしっこのために1回以上起きなければならない症状を「夜間頻尿」といいます。加齢とともに増える症状で、ご高齢の方では夜中にトイレに行くことで転倒のリスクもあり放置できない問題です。「夜間頻尿」の原因は大きく分けて3つあります。 ①尿が作られすぎている(多尿・夜間多尿) ②尿が膀胱に少ししか貯められない(過活動膀胱) ③眠りが浅い、寝つきが悪い(睡眠障害) 今回は③の「睡眠障害」=不眠症についてですが、残念ながら当院は泌尿器科が専門のため、我々が睡眠薬などを処方することは難しいのが現状です。しかし夜間頻尿の大きな原因の一つのため生活改善のアドバイスなどで少しでもお役に立てれば幸いです。不眠症は寝つきが悪い入眠障害と途中で目が覚めてしまう中途覚醒があります。前者の原因にはストレス、体や心の病気、喫煙(ニコチン)、カフェインなどがありますが、寝る前のスマートフォンやパソコンなどのブルーライトを浴びることも大きな原因と言われています。後者の中途覚醒の原因の一つがアルコールと言われています。「お酒を飲むとよく眠れるのでは?」と思われるかもしれません。アルコールを摂取すると眠くなるので、一見寝つきがよくなるように思えますが、実はアルコールが体内にあると眠りが浅くなり、途中で目が覚めてアルコールの利尿作用とあいまってトイレに行ってしまうのです。夜中のトイレでお困りの方はまずアルコールを控えてみてはいかがでしょうか? 院長 藤田喜一郎