夜中のおしっこの回数が増える(夜間頻尿)の原因について~その① 夜中に、おしっこのために1回以上起きなければならない症状を「夜間頻尿」といいます。加齢とともに増える症状で、ご高齢の方では夜中にトイレに行くことで転倒のリスクもあり放置できない問題です。「夜間頻尿」の原因は大きく分けて3つあります。 ①尿が作られすぎている(多尿・夜間多尿) ②尿が膀胱に少ししか貯められない(過活動膀胱) ③眠りが浅い、寝つきが悪い(睡眠障害) 今回は①の「尿が作られすぎている」=「多尿」について説明します。「多尿」には1日を通して尿量が多い場合と夜間に作られる尿が多い「夜間多尿」があります。前者の場合は「水分の取りすぎ」が主な原因ですが、糖尿病が隠れている場合もあり注意が必要です。後者では心臓や腎臓の機能が低下していることや睡眠時無呼吸症候群が背景にあることもあります。1日の尿量が体重あたり20-25ml(体重60kgの方で1日1200-1500ml)となるように飲水量を調節し、アルコール、カフェインなど利尿作用のある飲料を控え、水分を多く含む食物(生野菜や果物)や塩分の取りすぎにも注意しましょう。また、日中に下半身に溜まった体液(足のむくみ)が夜寝たあとに心臓に戻り、尿となって排泄されることが夜間多尿の一つの原因と言われています。弾性ストッキングの着用で足のむくみを予防することで夜間多尿を改善することも期待できます。 院長 藤田喜一郎