「膀胱炎みたい」 泌尿器科の外来でよく見聞きするワードです。皆さんはどんな症状で「膀胱炎みたい」と思われますか?「さっきトイレで排尿したのにまだ残った感じがあって、また行くけど少ししか出ない。」「排尿する時に痛いから、トイレに行かないように水分を控えている。」きっと同じように感じられた事がある方がいらっしゃると思います。 泌尿器科医が急性膀胱炎と診断する時は、排尿時痛や残尿感、頻尿等を伴う膿尿(尿中の白血球)を認めた場合です。 基本的な治療は、しっかりと飲水する事と抗菌薬の服用です。治療後もなんだかスッキリしない場合は、尿培養検査の結果を確認して抗菌薬を変更したり、漢方薬を処方したりもします。 また、「膀胱炎みたい」な症状で、膀胱炎ではない場合もあります。例えば、残尿感と頻尿の場合、本当に残尿が多いために尿意が頻繁に起きているケース。この場合は、膀胱炎の治療では改善せず、残尿が多くなる原因精査が必要となります。他にも、「膀胱炎みたい」な症状を繰り返す場合や、なかなか良くならない場合は、悪性腫瘍(がん)による症状の可能性や、過活動膀胱による症状の可能性等もあります。 もし、「膀胱炎みたい」な症状がありましたら、泌尿器科を受診してみてください。 火曜午前外来担当 高原絢